「SCHDに連動する投資信託は楽天SCHD・SBI・SCHD・Tracers SCHDの3本あるのに、後発のTracersだけ情報が少なくて決めきれない」「信託報酬は低いと聞くけれど、純資産が小さいのは大丈夫?」「そもそも自分の証券口座で買えるの?」と、比較表を前に手が止まっていませんか。
この記事では、楽天証券をメイン口座にしている私が、運用会社の公式データをもとに、純資産38.97億円という規模や、信託報酬0.10725%に投資対象ETFの経費0.06%が上乗せされる費用構造が実際の投資にどう効いてくるのかを、デメリットとメリットに分けて一つずつ確かめます。正直に言うと、先行2本との規模差には私も驚きました!読み終わる頃には「自分が買うべきかどうか」を判断する材料がそろいますよ!
結論|Tracers SCHDが合う人・合わない人
忙しい方のために、先に結論をまとめます!
❌ Tracers SCHDが合わない人
- 楽天証券をメイン口座にしている人(そもそも買えません)
- 純資産の大きさ=安心感を重視する人
- NISAのつみたて投資枠で積み立てたい人(対象外)
✅ Tracers SCHDが合う人
- SBI証券・マネックス証券・松井証券ユーザー
- ファンド自体の信託報酬の表示値にこだわる人(ただしETF経費を含めた合計では先行2本より高くなります)
- 楽天SCHD・SBI・SCHDと組み合わせて「毎月分配」を作りたい人(分配月が1・4・7・10月)
Tracers SCHDとは?30秒でわかる基本情報
Tracers SCHDの正式名称は「Tracers DJ USディビデンド100(米国高配当株式)年4回分配型」。米国の高配当ETF「SCHD」と同じ指数(ダウ・ジョーンズUSディビデンド100)に連動する投資信託です。
| 正式名称 | Tracers DJ USディビデンド100(米国高配当株式)年4回分配型 |
| 運用会社 | アモーヴァ・アセットマネジメント(旧:日興アセットマネジメント) |
| 設定日 | 2025年5月29日 |
| 信託報酬 | 年0.10725%(税込・税抜0.0975%) ※別途、投資対象ETFの経費 年0.06% ※諸費用は年0.05%を上限 → 信託報酬+ETF経費は年0.16725% |
| 純資産総額 | 38.97億円(2026年8月31日時点) |
| 分配月 | 年4回(1月・4月・7月・10月) |
| NISA | 成長投資枠のみ対象(つみたて投資枠は対象外) |
ちなみに運用会社の「日興アセットマネジメント」は「アモーヴァ・アセットマネジメント」へ社名変更しています。古い記事だと旧社名のままなので、ここでも情報の鮮度がわかりますね!
「そもそもSCHDって何?」という方は、先にこちらの記事からどうぞ!
Tracers SCHDのデメリット5選【正直に解説】
デメリット①|楽天証券では買えない
これが一番の注意点です!Tracers SCHDの販売会社はSBI証券・マネックス証券・松井証券・三菱UFJ eスマート証券など。アモーヴァのマンスリーレポート(2026年8月31日現在)の販売会社欄にも、イオン銀行(委託金融商品取引業者マネックス証券)・SBI証券・SBI新生銀行(同SBI証券)・松井証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券が並び、楽天証券の記載はありません(2026年9月22日確認)。
私は楽天経済圏で楽天証券をメイン口座にしているので、Tracers SCHDを買うなら別の証券口座が必要になります。楽天証券ユーザーがSCHD系を買うなら、素直に楽天SCHDを選ぶのが自然ですね。
デメリット②|純資産38.97億円と小規模(楽天SCHDの約70分の1)
Tracers SCHDの純資産総額は38.97億円(2026年8月31日時点)。一方で楽天SCHDは2,718.13億円、SBI・SCHDは2,414.97億円(いずれも同じ2026年8月31日時点)。楽天SCHDとは約70倍、SBI・SCHDとは約62倍の規模差があります。
純資産が小さいこと自体がすぐ問題になるわけではありませんが、投資信託には資産規模が育たないと運用を途中で終了する「繰上償還」という仕組みがあります。Tracers SCHDの交付目論見書は、繰上償還することがある場合の一つとして「ファンドの純資産総額が10億円を下回ることとなった場合」を挙げています。2026年8月31日時点の38.97億円はこの水準の約3.9倍なので、すぐに割り込む状況ではありませんが、長期でコツコツ積み立てたい人にとって、規模の安心感で先行2本に劣るのは事実です。
デメリット③|運用実績がまだ1年ちょっとしかない
設定日は2025年5月29日。つまり運用実績は約1年3ヶ月しかありません(2026年8月末時点)。指数連動型なので運用の中身は本家SCHDとほぼ同じとはいえ、「実際に指数どおりに運用できているか(トラッキング精度)」を確認できる期間が短いのは、慎重派には気になるポイントです。
デメリット④|分配型なので複利効率は下がる
Tracers SCHDは年4回分配金を出すタイプ。分配金を受け取るたびに20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%+地方税5%)の税金が引かれるので(NISA口座なら非課税)、分配金を出さず自動で再投資するインデックスファンドと比べると複利効率は下がります。
また、NISAでは成長投資枠でしか買えません。つみたて投資枠でコツコツ積み立てたい人は対象外なので注意してください!「配当をもらう楽しみ」と「複利の効率」はトレードオフの関係なんです。
デメリット⑤|米国での源泉徴収10%は取り戻しにくい
これはTracersに限らずSCHD系投資信託3本すべてに共通する弱点です。米国株の配当には米国内で10%の源泉徴収がかかります(日米租税条約が定めるポートフォリオ配当の限度税率が10%のためです)。ただし「投資信託だと二重課税がまったく調整されない」わけではなく、集団投資信託の収益の分配については分配時調整外国税相当額控除という別の調整制度があります(国税庁)。一方で、本家SCHD(米国ETF)を直接保有した場合は、確定申告で外国税額控除を使って一部を取り戻せます。どちらの調整がどこまで効くかはファンドの保有構造や受け取り方で変わるため、税効率を詰めたい方は交付目論見書と販売会社の説明をご確認ください。
それでもTracers SCHDが選ばれる3つのメリット
デメリットを正直に書きましたが、Tracers SCHDにしかない魅力もちゃんとあります!
- ファンド自体の信託報酬は年0.10725%(楽天SCHDは年0.1238%)。ただしTracersは投資対象ETFの経費 年0.06%が別途かかり、楽天・SBIの0.1238%/0.1227%はETF経費込みの「実質的な負担」なので、合計で見るとTracersが最も高くなります(後述)
- 分配月が1・4・7・10月で、楽天SCHD(2・5・8・11月)・SBI・SCHD(3・6・9・12月)と組み合わせると毎月どこかの分配月が来る形を作れる
- SBI証券なら投信保有でポイントが貯まる(投信マイレージ)
特に②は面白い仕組みで、3本とも分配月がキレイにずれているんです。「配当金で生活費の足しにしたい」という配当好きのFIRE民には、3本併用の「自作・毎月分配ポートフォリオ」という選択肢もあります!
ここは公開時の記述を訂正します。3本のコストは同じ土俵に並べないと比較になりません。楽天SCHDとSBI・SCHDは、交付目論見書・月次レポートで「実質的な負担」を年0.1238%・年0.1227%(いずれも税込・ETF経費込み)と明示しています。一方でTracers SCHDの0.10725%はETF経費を含まない数字で、投資対象ETFの年0.06%を足すと年0.16725%。つまりTracersは楽天SCHDより年約0.043ポイント高く、100万円あたり年間約435円(SBI・SCHDに対しては約446円)多くかかる計算になります。信託報酬の表示値だけを見て「いちばん安い」と判断すると逆の結論になってしまうので、注意してください。
楽天SCHD・SBI・SCHDとの比較表【2026年最新】

| Tracers SCHD | 楽天SCHD | SBI・SCHD | |
|---|---|---|---|
| 信託報酬(税込) | 年0.10725% | 年0.1238% | 年0.0627% |
| 投資対象ETFの経費 | 別途 年0.06% | 年0.0%程度 (ETF側の0.06%相当額を委託会社がファンドに充当) | 年0.06%程度 |
| 合計 (ETF経費込み) | 年0.16725% ※目論見書に合計の記載はなく単純加算(諸費用は含まず) | 年0.1238%程度 ※目論見書の「実質的に負担する運用管理費用」 | 年0.1227%程度 ※月次レポートの「実質的な負担」 |
| 純資産 (2026年8月31日) | 38.97億円 | 2,718.13億円 | 2,414.97億円 |
| 設定日 | 2025年5月29日 | 2024年9月18日 | 2024年12月20日 |
| 決算日 | 1・4・7・10月 の各4日 | 2・5・8・11月 の各25日 | 3・6・9・12月 の各28日 |
| 楽天証券 | × | ◎ | × |
| SBI証券 | ◎ | × | ◎ |
| マネックス証券 | ◎ | × | × |
| 松井証券 | ◎ | × | ◎ (2026年9月14日取扱開始) |
※信託報酬・純資産は2026年8月31日時点の各運用会社の交付目論見書・月次レポートの公表値。楽天SCHDとSBI・SCHDの数値はETF経費を含んだ「実質的な負担」ですが、Tracersの0.10725%はETF経費を含みません。同じ基準で比べる場合はTracersに年0.06%を足した年0.16725%でご覧ください。実質的なコストの詳細は各ファンドの目論見書を、取扱状況は各証券会社の最新情報を購入前に必ず確認してください。
3本の詳しい比較はこちらの記事で徹底解説しています!
Tracers SCHDはどこで買える?おすすめ証券会社
Tracers SCHDが買えるのはSBI証券・マネックス証券・松井証券・三菱UFJ eスマート証券など。米国株の情報力・分析ツールも合わせて使いたいなら、マネックス証券が私のおすすめです!
米国株の分析力で選ぶならマネックス証券
Tracers SCHDの取扱あり。銘柄スカウターなど米国株の分析ツールが無料で使えて、クレカ積立のポイント還元も高水準です!
マネックス証券|公式サイトを見る「私は楽天経済圏だからTracersは買えない…」という方は、無理にTracersを追う必要はありません!同じ指数に連動する楽天SCHDを楽天証券で買えば、実質的にほぼ同じ投資ができます。
よくある質問(FAQ)
Q1. NISAのつみたて投資枠で買えますか?
買えません。Tracers SCHDは成長投資枠のみ対象です(交付目論見書2026.7.1およびマンスリーレポート2026年8月31日現在で確認)。つみたて投資枠で積み立てたい場合は、eMAXIS Slimシリーズなどの分配金を出さないインデックスファンドが候補になります。
Q2. 「毎月分配化」は具体的にどうやるんですか?
Tracers(1・4・7・10月)+楽天SCHD(2・5・8・11月)+SBI・SCHD(3・6・9・12月)の3本を持てば、毎月どれかの分配月が来る仕組みです。ただし楽天SCHDは楽天証券での取り扱いになるため、複数の証券口座が必要になる点は注意してください!なおSBI・SCHDはSBI証券専用ではなく、SBIアセットマネジメントが公表する販売会社一覧ではSBI証券・三菱UFJ eスマート証券・松井証券の3社が挙がっています(松井証券は2026年9月14日取扱開始。2026年9月22日確認)。なお分配金は各ファンドの運用状況によって変動し、支払われない場合もあります。
Q3. 純資産が小さいと、すぐ繰上償還されてしまいますか?
交付目論見書が挙げる繰上償還の目安の一つは「ファンドの純資産総額が10億円を下回ることとなった場合」で、2026年8月31日時点の38.97億円はその約3.9倍です。すぐに償還される規模ではありませんが、先行2本と比べて資産の集まりが緩やかなのは事実です。長期積立の軸にするなら、純資産の推移を定期的にチェックするか、規模の大きい楽天SCHD・SBI・SCHDを軸にする方が安心感はあります。
Q4. 本家SCHD(米国ETF)と投資信託、どっちがいいですか?
手間を取らないなら投資信託、税効率と経費率を極めるならETF直接投資です。ETF版は経費率0.06%と低く、確定申告で外国税額控除も使えますが、ドル転や確定申告の手間がかかります。詳しくは米国高配当ETF比較の記事もどうぞ!
📌 それでもTracers SCHDを試すなら
比較先の楽天SCHDを選ぶ場合は楽天証券が必要です。手順は「【2026年版】楽天証券の始め方|口座開設5ステップ」にまとめました。
まとめ|Tracers SCHDは「わかって買う」なら悪くない選択肢
📝 この記事のまとめ
- デメリットは楽天証券で買えない・純資産38.97億円・運用実績約1年3ヶ月など5つ(2026年8月31日時点)
- コストは信託報酬0.10725%+投資対象ETFの経費0.06%=年0.16725%。ETF経費込みの楽天0.1238%・SBI 0.1227%と比べるとTracersが最も高い
- それでも1・4・7・10月分配という分配月のズレは、3本の中でTracersだけが持つ特徴
- 3本併用で「自作・毎月分配」ができるのはTracersを含むからこそ
- 楽天経済圏の人は無理せず楽天SCHDでOK
Tracers SCHDは「後発だからダメ」なファンドではなく、デメリットをわかった上で目的に合えば十分アリな選択肢です。特に分配月のズレを活かした毎月分配化は、配当好きにはワクワクする仕組みですよね!
大事なのは「どの証券口座で、何のために買うか」をセットで考えること。あなたの生活圏(楽天経済圏かSBI経済圏か)に合わせて、無理のない1本を選んでみてください!
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⚠️ 免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。記載の信託報酬・純資産・取扱状況は2026年8月31日基準の各運用会社の交付目論見書・月次レポートにより、税制とNISAの枠は2026年9月22日時点の国税庁・財務省・金融庁の公表資料により確認した情報であり、将来の運用成果を保証するものではありません。最新情報は各運用会社・証券会社の公式サイトをご確認ください。
📚 出典
- アモーヴァ・アセットマネジメント「Tracers DJ USディビデンド100(米国高配当株式)年4回分配型」投資信託説明書(交付目論見書)2026.7.1
- 同 マンスリーレポート(データは2026年8月31日現在)
- 同 Tracers DJ USディビデンド100 特設ページ
- 楽天投信投資顧問「楽天・シュワブ・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」交付目論見書
- 同 月次レポート(2026年8月31日基準)
- SBIアセットマネジメント「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」月次レポート(2026年8月31日基準)
- 同 販売会社ページ
- 国税庁 タックスアンサー No.1330「配当金を受け取ったとき(配当所得)」(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 タックスアンサー No.1240「居住者に係る外国税額控除」(令和8年4月1日現在法令等)(居住者が外国所得税を納付した場合の控除)
- 国税庁 確定申告書等作成コーナー「分配時調整外国税相当額控除」(令和7年分)
- 財務省「日米租税条約のポイント」(平成15年11月)
- 財務省「日米租税条約(新条約)の発効についての財務大臣談話」(平成16年3月30日)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」
- 松井証券 沿革
🕒 更新履歴:2026年7月28日公開/2026年9月22日、出典を追記するとともに、純資産総額・規模差・運用期間を2026年8月31日基準の各運用会社の一次資料に更新し、3本の信託報酬を同じ基準で比べていなかった誤り(Tracersの0.10725%はETF経費を含まず、楽天0.1238%・SBI 0.1227%はETF経費込みの「実質的な負担」)を訂正、「SBI・SCHDはSBI証券でしか買えない」という記述を販売会社一覧に基づき修正しました。
🛠 この記事の作り方:信託報酬・投資対象ETFの経費・設定日・決算日・NISA区分・繰上償還条項・純資産総額・販売会社は、3ファンドそれぞれの運用会社が公表する交付目論見書と月次レポート(いずれもPDF原典)から転記しました。税率は国税庁タックスアンサーと財務省の租税条約資料、NISAの枠は金融庁の特設ページから転記しています。計算はPythonで行いました。①Tracersの合計コストは「信託報酬0.10725%+投資対象ETFの経費0.06%=年0.16725%」という単純加算です。交付目論見書はこの合計値を明示しておらず(楽天とSBIは「実質的な負担」として合計値を明示)、諸費用(年0.05%上限)・売買委託手数料・為替コストは含めていません。②100万円あたりの差額は「1,000,000円×コスト差÷100」で算出し、楽天SCHDとの差0.04345ポイント=年434.5円、SBI・SCHDとの差0.04455ポイント=年445.5円を、1円未満を四捨五入して約435円・約446円としています。③規模差は2026年8月31日時点の純資産総額の単純比で、2,718.13÷38.97=69.75倍、2,414.97÷38.97=61.97倍を「約70倍」「約62倍」と丸めました。④運用期間は設定日2025年5月29日から2026年8月31日までの15ヶ月を「約1年3ヶ月」としています。⑤取扱証券会社は各運用会社が自社の月次レポート・販売会社ページに載せている販売会社一覧によります。ただし各社とも「作成時点の情報」「販売会社は今後変更となる場合がある」と注記しているため、一覧に載っていないことは取扱いがないことの確定的な証明ではありません。なお実質コストは運用報告書で事後的に確定する数値であり、本記事の合計値はあくまで目論見書記載の料率を足したものです。分配金の金額・純資産総額・各証券会社の取扱状況は変動しますので、購入前に各運用会社と販売会社の最新情報をご確認ください。本記事は将来の運用成果を保証するものではありません。

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